痛みについて 3
痛みの分類
痛みを発生原因別にみる見方があります。
* 体性痛
皮膚や体表の粘膜、骨格筋、骨膜などが原因で生じる痛みで、限局した疼くような痛みで、体動によって憎悪する痛みを言います。
* 内臓痛
内臓の炎症や壊死、伸展、強い収縮などによって生じる痛みで、深い部位での鈍い、重苦しい、締め付けられる、痛みであることが多い。
* 神経因性疼痛
末梢神経または中枢神経の損傷や障害によって起こる痛みで、焼けるような、電気が走るような、刺すような・・と表現される痛み感覚、の特徴があります。
* 混合型神経障害性疼痛
体性痛と神経因性疼痛との混合型、体性痛と内臓痛の混合型、あるいは 前出3つの混合型 等など 色々な混合型が出現します。特にこの混合型はがん性疼痛で頻発し、疼痛コントロールを困難にする場合があります。
以上のような分類をするのは、原因によってそれぞれ治療が変わってくるからで、例えば 内臓痛にはモルヒネが良く効くが、神経障害性疼痛には効きにくい・・・などの理由によります。
痛みの分類 2
痛みを「急性疼痛」と「慢性疼痛」として分けるやり方があります。
例えば急にお腹が痛くなったり、頭が痛くなったり、また怪我をして痛くてたまらない等は「急性疼痛」と言われます。
これに対し、怪我で手術を受けたあとがいつまでも痛い、帯状疱疹のあとの痛みが取れないとか、老化によって出てきた頸、肩、腰、膝 等の痛み等々を「慢性疼痛」と呼んで区別しています。
急性疼痛に対しては近年、診断学も治療学も非常に進んできており、原因究明が的確に行われ、それに対する根本治療が速やかに実施されるシステムが行き渡っています。
しかし、それに引き換え慢性疼痛は、いまだに原因がはっきりしない、または原因が分かっていてもそれに対する治療法が無い・・という状況が続いているのが現状です。